本記事は新幹線でiPhoneを使って書き始めた。最初は手持ちのノートパソコンを使って書こうとしていたのだが、隣の人の存在が気になりすぎて結局スマホでこっそり書く羽目になっている(但し推敲自体はネカフェで行った)。
さて、無事に部屋の大掃除も終わり、前職時代にじっくり築き上げた汚部屋もかなりその面影が薄くなった。突っ張り棒とワイヤーネット、掃除ロボットは偉大である。しかし掃除絡みの記事だけで年末を締めるのも何なので、本記事ではこれを機に今年読んだ本についてざっくり感想を纏めたいと思う。
今年は久々に色々なジャンルの物を買った気がする。その中で、読み終えた本のうち特に面白かった物をここで3タイトル程ピックアップする。
まず1つ目は、佐藤優著『自壊する帝国』。この本は自分が高校生であった10年以上前から知ってはいたのだが、つい今年になってやっと手を付ける気になった。事前の認識通り、著者が当時外交官として赴任していたソ連の崩壊前後の状況を記した内容である。著者の立ち回りは勿論、共産圏界隈のエピソードも描かれていて面白く読めた。無神論が国是となっている状況下での宗教の話については色々引っ掛かる物があったので、この辺はいつかもう少し調べてみたいと思う。それにしても、サーシャは今何処で何をしているのだろうか。
2つ目は小説で、柚木麻子著『王妃の帰還』。何気に小説を読むのは久しぶりな気がする。NHKFMの番組『青春アドベンチャー』を久々に聴いてたら偶々本タイトルが扱われていて、それが本著を知ったきっかけである。しかしながら、本著は最寄りの書店で買ったのだが、帯にデカデカと『ガールズ小説』と書かれていたので、レジに出すのがエラい恥ずかしかった。高校時代に初めて涼m…美少女モノのラノベを買った時の感覚がぶり返してきた。内容は、やはりドロドロした人間模様が盛り沢山!観ている分にはハラハラしてとても楽しい。作中では度々フランス革命に纏わる単語や例えが出てくるが、個人的にはこのクラスの雰囲気は何処のヨーロッパの火薬庫なんだと思った。昨日の敵は今日の友、逆もまた然り。久々に読んだ小説が面白い物で本当に良かったと思う。
最後は漫画。水沢悦子著『もしもし、てるみです。』。SNS等オンラインでの繋がりに対する観察を描いた作品を探していたら、本作に辿り着いた。定期的な下ネタでラッピングしつつも、時々毒のある内容がメンタルに突き刺さってくる。本作の内容に胸が締め付けられるのか、それとも単に『あるある』と笑って済ませられるのかに、読む人のネットリテラシー観の違いが表れてくるのだろう。少なくとも、自分は今の時代に学生でなくて本当に良かったと思うし、またLINEが必須となるコミュニティに属さなくて良かったとも思う。繋がりこそがボクらの枷…とは考えたくないが、ツイッタ界隈見てると少し悲観的になってしまう(だからこそ本ブログを作った)。
以上が、3作品のレビューである。上記の他にも、積ん読あるいは読んでいる途中の物があるのだが、それでも新たに気になる本は現れてくるもので、来年読みたいと思った物を一先ずここに纏めておく。
- 新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』
- ピエール・ブルデュー、ジャン・クロード・パスロン著『再生産』
- リデル・ハート著『第一次世界大戦<下>』
AIに関しては、今自分が個人的に取り組んでいる事と全く無縁な訳ではないので、界隈でベストセラーとなった物を参考のために読んでおきたくなった。『再生産』は、少し前(特に都市と地方の格差について一部ネットで盛んに議論されていた数年前)から気になっていた『文化資本』の概念について詳説した本だと記憶しているが、そろそろ本著にも手を出してもいいのではないかと考えている。というのも、現在リデル・ハート著『第一次世界大戦<上>』を読んでいて、これによりボリュームのある名著に対する免疫がある程度ついたと判断したためだ。本著自体も、来年中に上下巻共に読み終えておきたい。
定期的に書評系の記事は今後も書いていこうと思います。