SpyderX PROでモニタキャリブレーションを実施

2020年9月14日月曜日

ガジェット

現在もスローペースで絵を描いていて、その途中経過をPCのみならずスマホやタブレットで時折確認している。しかし今回は階調性が比較的高めの物を描いているせいか、モニタによって明暗の度合いが露骨に違って見える。特にスマホではかなり暗くなってしまうのが気になっており、この問題を何とかするべく色々調べ、そしてモニタのキャリブレーションをしっかり行ってみようと思い至ったのである。

モニタのキャリブレーションは、今まで一度もやった試しが無かった訳では無いのだが、精々Windowsに標準で付属している色調整を過去僅かに行った事が有る程度だった。そういう訳で今回は一層気合を入れて、キャリブレーション専用のソフトをインストールし、実際に設定してみたのだがどうもしっくり来ない。最終的には画面がひどく暗くなってしまい、見れば見る程コレジャナイ感が広がっていった。流石にコントラスト0は如何なものか。

この行き詰った感覚をどうにかするべく更にキャリブレーションの手段を調べた。結果、より客観的にそれを行うには、やはり専用の測色器を用いて行う必要があるとの事だった。そういう訳で様々な測色器を調べた末、現在メインで使用中のグラフィック編集用モニタにも使えそうな物の1つとして『SpyderX PRO』を購入するに至ったのである。数万円の万年筆を買う時でさえ最近はやや思い切りが良くなった感のある自分でも、正直これを購入する時はかなり葛藤した。本当に上手くキャリブレーションをしてくれるのかどうかが未知数であった他、本格的な写真編集でもなく単にイラスト系の作業環境改善を目的とした用途でこれを購入したという人を思った程見かけなかった為だろう。

早速幾つかのモニタに対し、改めて本製品でキャリブレーションを実施した。グラフィック編集用のモニタの方は2分程度で終了したが、10年選手の汎用モニタ側では途中で輝度調整が必要と言われ、そこだけ手作業で調整した為結構時間を要した。それでも後者は正味10分程度で済んだ。

赤みがより鮮やかになったのか、それとも今まで青みが強すぎたのか。キャリブレーション前後ではかなり見え方に差があった。それでもソフトのみでキャリブレーションをした時の様な、画面全体が暗くなってしまう様な不快さはなく、寧ろ画面全体の色の深みが増した様な気さえする。色合いは各モニタで大分似通ってはきたが、当然それぞれ表示性能が違う為、完璧に同じになる訳では無い。

そして改めて制作中のイラストを表示してみたのだが、これがスマホでの見た目に大分近い物となっていた。つまり非常に暗く映ったのである。これを受けて自分は急いでイラストのカラコレ作業を行い、キャリブレーション前の見た目に何とか近づけた。これをスマホで表示すると、やはりグラフィック用モニタとほぼ同じ明るさとなっている。

自分の作品の客観的な見え方を、完成前に気づく事が出来て本当に良かったと思う。あのままで投稿などしていたらと想像するとぞっとする位である。これからは月1の頻度でキャリブレーションを行う事にする。

『SpyderX PRO』は2万円台であったが、結果として本製品を購入したのは正しかったと思う。写真編集等を行う人であれば、こうした機器の存在を昔から知っていて当たり前の様に使用しているのかもしれないが、今の自分は目から鱗の発見をした様な気分でいる・・・。