万年筆のケースを作った他

2020年3月23日月曜日

DIY 万年筆

立て続けに万年筆の記事である。先週は記録しておくべき事がそれなりに有った。

ケースの敷板を作る

さて前エントリでは、万年筆のケースをどの様な物にするかの方向性を大まかに検討したのであったが、ここに来てその結論を一部覆すに至った。一言で述べると、ディスプレイ性は有しつつも、万年筆は立てて収納せず、寝かせる形式を取る事にした。というのは、立てて収納する方式にすると、只でさえ余裕のない自分の机に万年筆収納専用のスペースを新設する必要が生じた為である。逆に寝かせる方式だと、何とか万年筆を収納できそうな隙間が手前にあった。またそこに収納する上で丁度良い大きさのトレーも見つけられた。

今回万年筆の収納に使用したトレーは、蝶プラ工業製のデスコBR-4f(蓋付き)である。万年筆同士を接触させず且つ見栄え良く飾る都合上、単にトレーの中に直に並べておく訳にはいかなかった為、専用の敷板を作る事にした。上の写真にも写ってはいるが、その敷板をどう作ったかをざっくり図で示せば以下の様になる。

全て木材ベースの材料である。土台となる板はMDF材の物を使用しているが、これは無垢材と比べて比較的反りにくい性質を有している事がその理由である。また半円の丸棒は、今回は直径15mmの物が2つ(両端用)と、20mmの物を3つ使用している。これは単にトレー内側の幅が大体9cmである事から、単に長さの帳尻を合わせる為の苦し紛れの選定であった。勿論MDF板が若干見えても良いのなら15mm幅で統一も出来たのだが、今回はそうしたくなかった。

木材のカットについては、自分はそれらを切る為の道具を所有していなかった為、購入時にホームセンター側の有料サービスでその作業を行って頂いた。自分で綺麗にカットできるならばそれに越した事はない。

こうして調達した材料を、図で示した様に木工用ボンドで接着したわけだが、まともに接着力を与えるには圧着が必要だという事も知っていたので、100均で買ったクランプと家にあった適当な木片を当て木に用いてそれを行った。上述の通り両脇の丸棒は直径がやや小さくなってしまったので、当て木の圧力を与えたい部位には予め折り重ねたティッシュをマスキングテープで引っ付けたりして、圧着時の高さが他の丸棒とほぼ等しくなる様にした。

圧着して一日半待った頃には既にクランプや当て木を外してもしっかりと丸棒がMDF材に接着されていた。この段階で出来上がった敷板をトレーの中に置き、そこに手持ちの万年筆を並べた。それが上の写真である。

万年筆を左右の丸棒が支える事で、常にクリップを真上に向けたままの状態に出来たのは想定通りだったので嬉しかった(それどころか、この狭さではその様に置かないと万年筆同士が接触してしまう)。また両脇の丸棒は若干高さが違う故に、少しの振動で外側に万年筆が転げ落ちやすくなるかもと思ったが、案外そんな事はなかった。当初敷板はステインやらニスやらを塗布して見栄えをリッチにしようかとも考えていたのだが、それらの使用機会がこの時位しか無さそうだった上、無垢材の見た目も好きだった事から止めにしている。

蛇足ではあるが、上の写真の右側にあるラミーのサファリは、普段はこのトレーに入れずペン立ての中にしまう。サファリはカジュアルに使ってやる事こそが礼儀だと思っている為、この様なやや格式ばった雰囲気の収納の仕方はしない。ここは後に88ジョーヴェを置く事になる。

88マルスの洗浄

さてほぼ同時期に、オプティマに続き同じアウロラ製の88マルスもインクが切れた為、洗浄を行った。ただオプティマと違い、白い紙コップにペンを入れた時にニブのくすみがとても目立った。根元だけは綺麗なローズゴールドだったので、何とか輝きを取り戻させたいと思った。それで結局、軸内を洗浄した後に、歯磨き粉を用いてニブのくすみを取る事にした。尚この方法はニブのメッキが剥がれる危険性を排除できない為、真似をするなら自己責任の下でお願いしたい。

爪楊枝に歯磨き粉(今回は偶々使っていたアクアフレッシュである)を付け、ニブのくすみ部分にそれを力を入れずに付着させてゆく。一通り終わったらそれをキムワイプで軽く拭い、流水で洗い流す。これを2回程繰り返した所、本来のローズゴールドらしい輝きを取り戻した!

メッキが剥がれてギャン泣きする様な事態も何とか避けられ、今は乾燥中である。そろそろオプティマの方は軸内が乾いてきたところである。